俳句庵

1月『初空』全応募作品

(敬称略)

岐阜県     金子加行
初空に初心よきかと確かむる
初空に選びし地なり富士光る
夜行バス到着近し初御空
翼持つ身にはあらねど初御空
初空に富士の確かや飛機の窓
千葉県     長谷川ぺぐ
初空に生きると誓ふ辛くとも
初空をしみじみ眺めひとりかな
有り難や母の届けし初御空
初空や目に映るもの皆尊し
清らかに初空映し水の町
大阪府     藤田康子
初空やまほらを占むる鳥の声
初空や人の字鳥の飛ぶかたち
愛媛県     砂山恵子
初空や靴紐正すチアガール
初空や真珠のやうな昼の月
初空に富士見えますとアナウンス
初空や市バスの長き列の端
約束は確か三時や初御空
栃木県     垣内 孝雄
初御空飛行機雲の長く曳く
ひんがしの初御空とてまず拝む
初空や富士を遠見に鎌倉へ
妻と子とポストを開くる初御空
露座仏や初空なべて澄み渡る
愛知県     遊泉
願わくは世界の平和初御空
口出づる般若心経初御空
初御空人の世の末如何ならむ
暫くは我を忘るる初御空
今更に諸行無常の初御空
新潟県     近藤博
初空や天をあがめて礼をなす
初空や東雲仰ぎ掌を合はす
初空や一天茜に染め始む
東雲を仰ぎ柏手初御空
初空や残んの月も新たなる
神奈川県     月のうさぎ
初空や顧みはせじ前を見む
神奈川県     吉良水里
港から引力を受け初御空
千葉県     唯我独善
初空や塀が一枚剥がれ落つ
初空の鴉や街を嘆きをり
初空や今日は何からなすべきか
古里の初空めざし夜行便
初空の青に驚く六十路かな
神奈川県     金剛
初空を飛んであなたに会ひにゆく
揺れ動く初空の青軋む櫂
暁闇の金星のこす初御空
初空や金箔の舞ふ大吟醸
初空を傾けて飲む般若湯
長野県     木原登
東京のこんなに青き初御空
初空やメタセコイヤは太古の木
摩周湖のしんと音なき初御空
大富士へ鳩の飛びゆく初御空
初空へトランペットを吹きにけり
兵庫県     岸下庄二
初空の東を向きて風見鶏
初空に紙飛行機の宙返り
初空へゆつくり離陸プロペラ機
初御空柏手強く打ち鳴らす
初御空機首を東に飛び立ちぬ
宮城県     馬の耳
初空に子の登校を願いけり
福岡県     紙田幻草
初空の空気を守り抜く誓
初空やゆっくり歩く人となり
初空や酒も煙草も縁を切り
初空や上を向くこと忘れまじ
新しき御代の初空仰ぎけり
栃木県     鹿沼 湖
初空やまつさらな朝の挨拶
初空や魁夷の青の清々し
初空や今朝のあらたまる挨拶
神奈川県     佐藤博一
しばらくは鷹に任せし初御空
富士山の見下ろしている初御空
初空や老いには老いの願い事
灯台の先の全き初御空
初空の雲透くまでの青さかな
島根県     GONZA
神奈備の山麗しき初御空
初空や伯耆大山くっきりと
千葉県     柊二
紅白の鈴の緒抱え初御空
千葉県     伊藤順女
初空へ吸ひ込まれゆくドラの音
初空や飛行機雲の一直線
朝焼けも神々しくて初の空
岐阜県     ときめき人
平成といふ風立ちぬ初空ぞ
東京都     石川昇
カーテンを一気に開けて初御空
初空や警察ヘリのホバリング
東京都     伊藤はな
初御空畝より抜きし菜をきざむ
初御空慈母観音と母偲ぶ
初空の流れたいらか日本橋
初空や風とじやれあふあすなろう
初空よ神に祈るは世のならひ
東京都     伊藤之忠
初御空藍なぎわたる相模湾
初空を睨む天狗と高尾山
一湾の藍の深さや初御空
初空に白波寄せて昌昌と
初空へ風越へてゆく鳥の影
奈良県     堀ノ内和夫
初空へずしんと吼ゆる桜島
初空へ樹上の鶏の時を告げ
東京都     岩崎美範
平成の掉尾を飾る初御空
茶を点てて仰ぐ初空まさをなり
大漁旗なびく故郷の初御空
初空や明けの明星煌煌と
窓外に富士の頂初御空
埼玉県     岸保宏
初空や年金暮らし板につき
初空や紙飛行機の独壇場
初空や陽を集めたる大鳥居
厄除けに行かずともすむ初御空
狛犬や首ぐいと上げ初御空
愛媛県     渡邊國夫
大富士の神々しきや初茜
御城下の菓子司三代初御空
玉砂利に浅沓の音初御空
初御空母の手を引き産土へ
初空や半日休む野良仕事
青森県     竹浪誠也
初空や屋号で呼ばるる町に住み
気動車の窓ことごとく初御空
初空やのびやかに生き無位無冠
のびやかに息を吸ふとき初御空
初空の常なる青の新しく
愛知県     新美達夫
製鉄の町に真澄の初御空
離陸して身を初空に委ねけり
まだ見たきもののありけり初御空
富士山の見えずと言へど初御空
大阪府     永田
大刀自のラジオ体操初御空
東京都     石井真由美
平成尽参賀に列す初御空
初空の飛行機曇や線描画
看護師の訛なつかし初御空
埼玉県     いまいやすのり
天突くやスカイツリーの初御空
対岸の両手にあふる初御空
限りなく青の広がる初御空
初空にしばし目と耳澄ましをり
又ひとつ梵鐘とおく初御空
東京都     勢田清
初空や東の方の染まり初む
庭に立ち初空仰ぐしみじみと
初空をころころ鳴いて小鳥行く
初空や朝日に光り鳩の群れ
初空に高く上りし凧いくつ
ブラジル     西山ひろ子
縁ありて住み古るこの国初御空
安寧を祈る今年の初御空
初空に雀の一家賑やかに
誰れ彼に祈り祈られ初御空
あえかなる光りを引ひて初御空
兵庫県     岸野孝彦
初空や笑うがごとく陽は昇る
初空やゆるりと締めよ太鼓帯
初空や白亜の城の城下町
初空や稲村ケ崎の西は富士
初空やAIを知らぬ忠魂碑
静岡県     城内幸江
初空や背伸びをしてるビルディング
初空や水平線に産む光
初空や声にならない声を聞く
うつくしく孤独でいたい初御空
傷つけてしまわぬやうに初御空
三重県     平谷富之
初空や凧の上がらぬこの時代
初空の青に今年の良きことよ
千葉県     伊藤博康
初空といへど不安が先に立つ
初空やもやもやしたる気分捨て
初空やいくつ捨てたか小さき夢
初空に工場の煙休みけり
初空に寝不足の目を擦りけり
兵庫県     髙見 正樹
旅客機や初空よぎる雲の線
山口県     山縣敏夫
初空の遠き彼方に晄射す
初空に向こうて孫が叫びをリ
初空や雲行き怪し心地して
初空に向こうて犬が吠えにけり
初空に両手合わせて拝みけり
東京都     内藤羊皐
蒼々と深きを湛ふ初御空
初空ややや子に生える歯のひとつ
アトラスの腕逞し初御空
老母待つ駅舎に仰ぐ初御空
初空に凱歌轟くスタジアム
宮城県     片平奈美
今生の夢を叶えて初御空
吹かれつつ初空の青フラメンコ
初空や杜の都に独りゐて
地球儀や浅葱色した初御空
初空や飛行機雲の一直線
神奈川県     萩原照代
初空に合格祈る鶴ケ岡
大仏や威風堂々初空に
初空や海の青さよ光る島
初空や一人くつろぐ露天風呂
石川県     大友まり子
初空や神坐す座は真白なり
初空に海に祈るや古老漁夫
徳島県     白井百合子
籠の鳥飛び立つ先の初御空
憧れのハワイへ発つや初御空
初空や味噌汁啜り出勤す
初御空旅の守りのみくじかな
初空や凶3回は私だけ
宮城県     林田正光
エンディングノートの表紙初御空
初空やラジオ体操始まりぬ
初空にちぎれ雲あり動かざる
絵筆手に無地のキャンパス発御空
初御空気持ち新たになりにけり
奈良県     一人坊
気負う朝遍路発つ日の初空や
玉砂利も子等静かなり初御空
初空や昨日の空の色忘れ
初空や遥なりゆくわれの里
初空や一人一人の老いの夢
神奈川県     塚本治彦
初空を千木高々と貫けり
鳶の輪の自由自在や初御空
初空や音声菩薩奏でをり
三輪山に鎮もる神や初御空
初空へ軍事機密の伝書鳩
東京都     五十嵐顕人
初空や俳句に翔たをとこの根
まつさきに母の割烹初御空
還暦を間近をとこの初御空
埼玉県     高原
初空の一歩二歩三歩一歳児
初空に手を合わす人背筋伸び
常夏の初空めがけ深夜便
東京都     佐藤博重
初御空不二くれなゐに輝けり
初御空父の遺せし桐の下駄
兵庫県     はなちる
鳥鳴きて母逝く朝の初御空
初空や真珠の落ちて海の底
初空や大きく◯と指の先
初空や鳥居連なり空(くう)の中
初空や半紙に墨の美しき
奈良県     平松洋子
初空へ近づくばかり夫婦鳥
初空に良きことあれと仰ぎつつ
陸橋が一番高し初空へ
東京都     新保徳泰
初空へぐいと機首向け一番機
星々の位置を定かに初御空
鶏鳴を聞きしはむかし初御空
澄み切るといふはこのこと初御空
初空や真白き富士の浮かび出て
東京都     ねぎみそ
初空や地平眺むる鬼瓦
初空や白いタイルの白い目地
大阪府     津田明美
初空や君と歩みし五十年
朱鷺色に雲を染め上げ初御空
初空や故郷に向ける深呼吸
兵庫県     山地美智子
初空の雲美しく流れけり
初空や一本道の高速道
美しき六甲の峰初御空
初空や飛行機雲の先に飛機
初空の声も大きな大鴉
神奈川県     井手浩堂
鳶二つ泳がせ伊勢の初御空
桜島噴くふるさとの初御空
初空や遠嶺に雲を肩寄せて
北海道     工藤光吉
初空の抜けて神社ののぼり道
神奈川県     川島欣也
初空や干支の襷を受け渡す
初空の箱根駅伝旗の波
初御空更に短くなる余生
平成の終わり寿ぐ初御空
初御空薄雲はれぬ永田町
兵庫県     噂野アンドゥー
初空と バイクの煙 雪溶かす
初空で 生命生まれる 抱負かな
初空に 一言言うよ 「寒いね」と
初空に 年末ジャンボ 開封し
愛媛県     加島一善
初空に去年の月華残りけり
恍惚の光凍れし初御空
病みし母障子の孔の初御空
新調の衣の天女初空へ
初空へドローン一羽飛び立ちぬ
ブラジル     林とみ代
初空や綿菓子ごとき雲浮かぶ
大君の世継ぎ決まれる初御空
初空を明るく染めて日の出かな
初空に余生の夢を描きけり
手作りの孫の凧上ぐ初御空
東京都     右田俊郎
初空にしがらみすべて脱ぎ捨てる
初空や前途大なる可能性
初空に今年こそはの闘志湧く
初空に挑む気持ちのみなぎれり
初空や恙なきこと願ふのみ
栃木県     長浜 良
初空やへんぽんとして日章旗
初空の人に会わざる佳き日かな
初空や故郷に在す父と母
三重県     後藤允孝
鎌倉に五山の門や初御空
人とゐて人の恋しき初御空
初空や富士の前側うしろ側
初空を映して深き大河かな
惜しまれて旅立つ妻や初御空
茨城県     菊池風峰(きくちかざみね)
初空を夢乗せ飛べやユニコーン
枡酒に映る紺青初御空
初空の気層の中を飛ぶ気球
嬰児の開きし眼初御空
初空の下友と往く箱根越え
三重県     倉田 伊都子
初空の 歓迎してる 神太鼓
初空や 太鼓の音に 手を合わす
初空に 飛ばして見たし 紙やっこ
東京都     豊宣光
大吉のごとき青天初御空
初空のめでたきままに暮れにけり
初空の昨日と違う広さかな
初空を飛ぶ鳥大き自由あり
初空を隠すものなし峰の上
岡山県     岸野洋介
初空や地に千両の赤はえる
おめでとう初空仰ぎ亡き妻へ
初空や電車ごうごう海渡る
老いたれど初空あおぎ希望わく
初空を鳶ゆうゆうと舞いにけり
山口県     ひろ子
日の出待つロープウェイの始発かな
初空や飛行機騒音遠のきぬ
初空をキャンパスにして描く夢
神奈川県     矢神輝昭
この山のこの初空に身を曝す
それぞれに凧悠々と初美空
挨拶は物干し台から初美空
北岳や富士の眩しき初美空
吾が半生綴る八十路の初美空
埼玉県     櫻井俊治
初空を鳩ゆつたりと舞ひにけり
神奈川県     龍野博史
初空や御幌揺らす神の風
初空やビル群はみな眠りをり
初空や天使の光降りそそぐ
鳥取県     風紋
初空や紡ぐ言の葉翔たしめて  
富山県     岡野満
初空やローカル線の弾む声
初空を我が物顔に奴凧
初空や鉢巻締めて受験生
神奈川県     ―
初空や子には子の夢あるらしく
初空へ反骨の矢を放ちけり
神奈川県     志保川有
初空や正装の庭散歩せる
初空や人目はばかる齢過ぐ
雨降山雲の端もなし初御空
初空や辺野古の人の腕組みす
初空や防衛予算五兆超ゆ
神奈川県     亀山酔田
どこまでもつづく初空いいてんき
初御空朽る母屋は美しく
初空の艷かなる様日の出る
初空や老い二人して生きること
初空や山押し合うて細長き
神奈川県     皆空眞而
平成の記憶なるらん初御空
初空に機が発つ西の初空へ
斑鳩や日出づる国の初御空
千葉県     横井隆和
・流星のごと賽銭の初御空
・円舞する白鳩九輪の初御空
・初空や家族一式揃う下駄
・清む鐘の招く茜や初御空
ブラジル     玉田千代美
初空や百年先はいざ知らず
初空や老の祈りは平和のみ
福岡県     西山勝男
あまさかる鄙に棲み古り初御空
初空や阿蘇の寝すがた遥影に
初空や普賢も多良も海へだて
初空や水美しき星に棲み
降臨の峰をそばだて初御空
千葉県     四葩
初空を仰ぐこころに翳りなし
ふるさとの山河瞼に初御空
愛知県     斉藤浩美
初御空沖縄はまだ戦後処理
鎮魂の色や初空広ごりぬ
思い切り大気を吸わん初御空
初空より着陸初空へと離陸
観覧車ここがてっぺん初御空
東京都     笹木弘
初空の東と西の釣り合へり
日の丸を旗めかしたる初御空
初空や三百六十度の山
初空に耳を澄ませば天の声
初空へジェットコースターの宙返り
新潟県     加藤正子
初空を飛行機雲のまつしぐら
初空へ湯気は豊かに露天風呂
初空や始発のバスに詰めて乗る
岡山県     土屋徹三
初空へもはや芭蕉の旅立ちぬ
初空へクレーン腕をぐっと揚げ
初空へ塀の中から書く手紙
初空に高々とつむ米袋
初空を徐々にせばめる松の枝
広島県     永野昌人
初空の雲に数本逆さ日矢
初空や天の高みに鳶一羽
江田島に日矢の数本初御空
弥山より遥か石鎚初御空
初空や弥山観音際やかに
東京都     安西信之
富士のほか映ゆるものなし初御空
東京都     中田ちこう
初空や参道なれぬ下駄の音
金平糖降る天使のはしご初御空
神奈川県     三好康子
初空や讃岐七富士晴れわたり
休みなく回る地軸や初御空
初御空いのち謝したき大気かな
初空へ嬰を捧げてかたぐるま
恙なき喜寿の初空眩しかり
埼玉県     守田修治
初空やどこからか聞ゆ三番叟
初空や富士も紋付着たような
初空や日本列島撫ぜてゆく
初空を外野ノックで祝いけり
初空や新たな元号待ちわびる
千葉県     入部和夫
石段を上らば青き初御空
東京都     岩川容子
初空にくっきり聳ゆ白き富士
初空にふわりと浮かぶ飛行船
ささやかな幸せ願う初御空
初空の碧を突き上ぐスカイツリー
三重県     西井治男
初空や磧に下りて描く文字
愛知県     当卯
寒葵の黒き口開く初御空
看護師の夜勤明けたり初御空
拡ごうてをるとや今も初御宙
神奈川県     成田あつ子
初空やはちみつ色に富士染まり
青ければよき年ならむ初御空
めでたきは真白な富士の初御空
初空や富士の雄姿は変わらざる
青き山従へ富士の初御空
埼玉県     哲庵
初空や迦陵頻伽の舞ひ踊る
平成の名残のひかり初御空
初空や飛行機雲の平行線
初空や偕老同穴共白髪
雲を刺すスカイツリーや初御空
神奈川県     ぐ
初空や声の明るきベビーカー
初空を待ち構えたる街の黙
初空に続く翠微の仄明かり
初空を示す時針や献杯す
埼玉県     水夢
初空へ光切り裂きいるか跳ぶ
初空や天草五橋一の橋
初空や眼下に光る波がしら
初空へ飛礫となりし鳥の群
観覧車ゆっくりゆくり初空へ
大阪府     椋本望生
初御空ビルよりビルへビルの影
初空のバイク斜に憩ひおる
一羽たちまた翔つすずめ初御空
七度目の干支に初空遠からじ
残月の初空清し富士の山
神奈川県     佐々木 僥祉
初空や波濤を畳み燦めけり
川面裂く漕艇にひとり初御空
遠富士の紫若き初御空
ポケットの缶コーヒー熱き初御空
石鳥居をくぐりて仰ぐ初御空
福岡県     多事
初空を外八文字で朱傘来り
三代と犬の一匹初御空
初空や筆正しかる一の線
のそり牽く牛の尻尾や初御空
初空を汚しプライドポテトかな
埼玉県     彩楓(さいふう)
熱気球次々と初空のひかり
立哨の兵の肩章初御空
浅草をそぞろ歩きの初御空
初空へ噴煙高く桜島
初空へ術後の体開きたり
千葉県     みやこまる
歌舞伎座の幟はためく初御空
仲見世に約束のごと初御空
平成の去りゆく初空の清ら
初空を連れ仲見世を歩きたる
月旅行計画近し初御空
千葉県     堀川真里
初空を許しと思う無職なり
初空を音に遅るる機影かな
抱き上ぐる老猫へこの初御空
東京都     飯田 哲司
初空や下界はまさに初づくし
初空や世界の空はいつ青く
初空や永久に無事にと長い列
初空や家族めかして浅草寺
初空や明日になれば早過去に
神奈川県     髙梨 裕
初空や古希七十の日の光り
初空の渡る日付変更線
夜行バス着けばふるさと今朝の空
初空や厚き朝刊手に取りし
初空の空のあなたや我が子住む
東京都     豊島 仁
初空やヨットに白き帆が上がる
日本におめでとうあり初の空
初空や真青に白き富士の峰
初空や天上の神高笑い
平凡は偉大なる夢初の空
京都府     中村 万年青
奴凧とんと見かけぬ初御空
初空や比叡愛宕も近く見ゆ
銀翼の天翔けり行く今朝の空