- 山本海苔店トップ
- 俳句庵
- 俳句庵 2016年05月 優秀賞発表
- 俳句庵 2016年05月 作品一覧
俳句庵
5月『清水』全応募作品
(敬称略)
- 京都府 中村 万年青
- 柄杓手に音羽の滝の汲む清水
- 御香水汲めども尽きぬ清水哉
- 染の井の旨し清水や御所隣
- 清滝や清水さ走る岩の上
- 日本一旨しと思ふ白菊水
- 神奈川県 髙梨 裕
- 人生の余白に山の清水かな
- 山ガール清水掬いて口含む
- 山路来て清水休まる老いの足
- 手の平に清水受け止めこぼれ落つ
- 弘法の水一口の清水かな
- 東京都 石見 光夫
- 奥多摩の清水が造る名酒かな
- 神奈川県 佐々木 僥祉
- 連聳の雲からめとり清水湧く
- 清水ありシエラカップとる間ももどかしく
- 岡山県 渡辺牛二
- 清水くむ煤けし薬缶いつぱいに
- 水神にまずは一礼岩清水
- 埼玉県 守田 修治
- いつだって青春の味岩清水
- 足馴らし山は高尾の岩清水
- 下鴨の清水に泳ぐ豆腐かな
- いざ飲まん不老長寿の岩清水
- 過疎なれど清水の美味さに人の列
- 宮城県 遠藤 正寿
- 底清水進化の川を辿る獣
- 兵庫県 山崎ぐずみ
- 国境に雲の湧きをり清水かな
- 石清水湧きてすぐにと流れをり
- 草清水湧きてはたまた潜りたり
- 手のひらや三筋の皺のうく清水
- 手間仕事なして清水を飲みにけり
- 愛媛県 アリマノミコ
- 古代より地球を救う清水かな
- 熊本県 貝田 ひでを
- 順番を急かれて清水飲み憩ふ
- 飯焚きに清水を使ふ贅沢さ
- 飲み終へて「フー」と一息岩清水
- 富山県 岡野 満
- 掬う手にチカラ漲る岩清水
- 登山する人の集うや清水湧く
- 霊峰に千歳流るる清水かな
- 北海道 飯沼 勇一
- 火の山を母に海へと岩清水
- 潜り来し千年の刻岩清水
- 碧き空押し上ぐごとく清水湧く
- 故郷の味濃き清水汲みに行く
- 城内の清水の枯れて掘淀む
- 東京都 岩川 容子
- 八方に尾根の入りくる岩清水
- くずし字のように流れる山清水
- 双掌に刃の如き清水受く
- 山麓に名もなき寺や清水湧く
- 福島県 いらくさ
- 宇宙人降り立ち掬ぶ山清水
- 水の星UFO寄せる草清水
- 草の葉のカップに青き朝清水
- 苔清水鳥と分かちて利きにけり
- 強清水弘法清水乳母清水
- 東京都 紫滴
- 掬うより 腑に染み渡る 石清水
- 石清水 人と交わる 情なし
- 東京都 蘭丸
- 庭清水農史を繋ぐ古刹かな
- 真清水や裂け目なにくれ旅鞄
- 愛知県 新美 達夫
- 一筋の清水大河に注ぐ夢
- 狷介なわが掌なりけり岩清水
- 滋賀県 村田 紀子
- 風止んで清水に響く鳥の声
- 登山道笑み呼び戻す清水あり
- 蝶々舞う清水に休む親子連れ
- 山道で地蔵が招く水に会う
- 被災地に清水届ける人と人
- 山口県 ひろ子
- ふるさとの清水のめぐみ被災地へ
- 岩清水みつけてごくごく飲みにけり
- 東京都 山宮 有為子
- 割れ目から 雫となりて 岩清水
- 神奈川県 中村 光男
- 坑道の出口の清水朝日なか
- 清正の清水に日矢の射し込みぬ
- 鎌倉の谷戸の石仏岩清水
- 行者道日矢の射しをり岩清水
- 鍾乳洞たどれば響きなす清水
- 千葉県 隼人
- すぐそこに稚魚悠々と石清水
- 真っ白なハンカチ絞る清水かな
- 三重県 後藤 允孝
- 真清水を集め智積の鯉の里
- 神苑の杜潤して苔清水
- 山清水飲めば薬の但し書き
- 膝つきて両手は掬ふ石清水
- 川底の砂踊らせて清水湧く
- 鳥取県 瀬尾柳匠
- 山清水喉に至福の延命水
- 石清水喉を鳴らして飲み干せり
- 掌に受けて零るるままに山清水
- 千年も絶ゆることなき清水かな
- 汲み置きの山清水もて茶を点てる
- 大阪府 永田
- 序破急を乱しに乱し山清水
- 東京都 中田ちこう
- 農夫なく風の音消え夕清水
- 清水汲むヤカンの尻が焙られる
- 東京都 石井 昌男
- 膝をつきゆるりと両手山清水
- 東京都 石井 まゆみ
- 欠け茶碗濡れ石に伏す山清水
- かがみ腰右手が掬う清水かな
- 清冽な清水湧き出ず最上川
- 湧き出ずり砂を転がす清水かな
- ありがたや大溜息の岩清水
- 大阪府 太田 紀子
- 登り来て社の清水掬ひけり
- 山清水の柄杓新し昼下がり
- 鳥居二つくぐりて会ひし清水かな
- 神奈川県 大木 梨紗子
- 足休め清水に映る風の影
- 神奈川県 野川 喜一郎
- 岩清水色気も何も山おんな
- ぽったりと時間を刻む清水かな
- 小流れの清水はやがて地に潜る
- 水源地しか知らぬ清水かな
- 小休止清水溜まりに足を入れ
- 栃木県 青萄
- 清水汲むわが行楽の空の碧
- 神奈川県 戸田浮木
- 杖休め清水掬びや握り飯
- 杯で清水汲みけり森の中
- 神奈川県 龍野 ひろし
- 山清水ボトルに汲みて登り出す
- 山清水両手で掬ひ小休止
- 栃木県 長浜 良
- 真清水に豆腐よどませ峠茶屋
- 兵庫県 山地 美智子
- 岩清水まずは柄杓をすすぎけり
- 埼玉県 飯塚 璋
- 神仙と思ひて掬ふ清水かな
- 岩清水青空見えて深呼吸
- 持ち合はすペットボトルに山清水
- ドリンクの浮いて筧の清水かな
- 滾滾と清水は砂を持ち上げて
- 岡山県 有吉 一行
- セラセラとあと追い立てし山清水
- 目を閉じて頭にかぶり岩清水
- 沢ガニの甲羅冷やして清水かな
- ヒザ濡らし清水飲み干すうまさかな
- 地の恵み滴り落ちる苔清水
- 岡山県 岸野 洋介
- 山清水妻の墓石にかけにけり
- 少女らの口尖らせて岩清水
- 掬う手に緑映れり山清水
- 富士よりの清水噴き出て柿田川
- 両手もち掬う清水にひざまづく
- 神奈川県 矢神 輝昭
- 石清水手水を溢れ登山靴
- 清水湧く幾十の年の沈思経て
- こんこんと笑ひこけおる清水かな
- 寺町をお清水流れ下駄の音
- 梅花藻の清水と連れ添ふ柿田川
- 神奈川県 相模太郎
- こんこんと湧き出づ言葉岩清水
- 苔の生ふ岩の暗さに清水湧く
- 岸壁に顔張り付けて吸ふ清水
- 岡山県 佐藤 邦夫
- 富士清水名水百選天狗鼻
- ありがとう清水潤う地球かな
- 石清水海苔が舞う舞うランデブー
- 石清水せせらぎうれし息つなぐ
- 山走る清水とびこむ霧のつぼ
- 埼玉県 哲庵
- もののふの大刀洗ひたる清水かな
- まいまいの殻沈めたる清水かな
- 絶え間なく水琴慣らす岩清水
- きりぎしの菩薩を濯ふ山清水
- 老犬と命の清水頒ち飲む
- 大阪府 津田 明美
- 天川の悠久を湧く清水かな
- ここはもう分水嶺か清水汲む
- ほとばしり岩肌濡らし清水落つ
- 地の底の塊も砕きて岩清水
- 幾層の命吸い上げ岩清水
- 東京都 田中 永
- 金色の砂のこをどり山清水
- 足元の石のぐらつき岩清水
- 埼玉県 櫻井 玄次郎
- 法螺貝を遠くに聞くや岩清水
- 千葉県 横井 隆和
- 染め揚げる樹海の蒼さよ苔清水
- 苔清水別れ別れる阿弥陀籤
- 湧く清水踊る陽砂の乱舞かな
- 岩清水次いでは目指す秘境の湯
- 水筒に受けて土産の岩清水
- 愛知県 清水 陽子
- 岩清水滴りやがて大河かな
- 清水湧く魚(うお)よろこぶや柿田川
- 清水汲む草の柄杓も喜びぬ
- まことより綺麗に映ゆる清水かな
- 覗ければ未来が見えそな清水かな
- 三重県 平谷 富之
- その山の 香りもありて 岩清水
- 岐阜県 ときめき人
- 峠越え井月の啜る岩清水
- 栃木県 すみ女
- 山清水誰が置いたかワンカップ
- ワンカップ苔むしてをり山清水
- 庭清水武骨な亭主の蕎麦家業
- 汲まむとす手の色までも苔清水
- 神奈川県 猪狩千次郎
- 生の香立つ造酒屋の清水かな
- もてなしの初めは裏の清水かな
- 青い鳥先に来てゐる清水かな
- お抹茶に一滴一滴崖清水
- 飼葉桶口にしばられ清水陰
- 神奈川県 成田あつ子
- 膝つけば帽子映すや山清水
- アルプスを背に掬ふ清水かな
- 登り来てわれ先駆ける山清水
- 香川県 佐藤 奈都子
- 老女二人清水の前で立ち話
- 石清水丸眼鏡の父顔洗ふ
- 標石辿り着く地に石清水
- 父も子も喉を潤し石清水
- 目印の角を曲がれば石清水
- 神奈川県 川島 欣也
- 山越えの旅を癒すや岩清水
- 崖清水村を潤し大海へ
- 信州のパワースポット七誌水
- 小休止清水ボトルを満たすまで
- 山小屋の細く留らぬ山清水
- 兵庫県 岸野 孝彦
- 黎明の里に湧きたる清水かな
- 建長寺音も澄みたる清水かな
- 山蝶や羽を休めり苔清水
- 還る場所川海空の清水かな
- 日は昏れて清水のごとき生希む
- 神奈川県 塚本 治彦
- 一口のあと顔洗ふ清水かな
- 一口の清水甘露と呟きぬ
- 水筒を零して汲みぬ石清水
- 清水汲み結婚指輪冷えにけり
- 清水掬む街へ戻れば働く手
- 神奈川県 守安 雄介
- 石清水崖を落ちたる光かな
- 魚まで透き通りたる清水かな
- 虹色に光る魚影の清水かな
- 石清水集め信濃の太郎かな
- 四万十の清流遡る鯉幟
- 東京都 夏男
- 背景の山より青き岩清水
- 石の上まるく流れて山清水
- 岩清水汲む水筒に羅針盤
- 足るを知るてのひらに汲む岩清水
- 少年の腹這いで飲む山清水
- 岡山県 名木田 純子
- 岩清水千古を刻む水の音
- 一山のひかりを零す清水かな
- 一掬の岩清水酌み古道行く
- 山口県 山縣 敏夫
- 古寺に何やら床し苔清水
- 竹藪を抜けた途端に石清水
- 源流の沢の近くに石清水
- 山登り清水を汲んで一休み
- 山門の脇の近くに山清水
- 東京都 まどん
- 屋敷林抜ける風あり朝清水
- 清水汲む水筒揺らす尾瀬木道
- 奥多摩はむかし海底清水汲む
- 清水茶屋見下ろす湖に雲の影
- 山清水こだまのごとくチェーンソー
- 東京都 岩崎 美範
- 手で掬ひ喉を鳴らして清水のむ
- 冷たさが胃の腑に沁みる山清水
- 地図拡げ探しあてたり山清水
- 手に受けてがぶりと飲みし岩清水
- 飲んでけと婆の差出す清水かな
- 神奈川県 井手浩堂
- 清水湧くかそけき音を楽しめり
- 日に光るところ野中の草清水
- 岩清水掬ふ紅葉のやうな手に
- 神苑に流れ一すじ苔清水
- 土牢の庇に落つる岩清水
- 新潟県 近藤 博
- ぶくぶくと砂を掻き分く底清水
- 切り岸の岩間湧き出づ岩清水
- 掬ぶなり渇き和らぐ岩清水
- 紙コツプ一個放られ山清水
- 山路来て清涼しくなき清水飲む
- 神奈川県 佐藤 博一
- 真清水を酌めばいのちの透くやうな
- 清水湧く忍野八海富士噴ける
- 屋久杉の太古支へる清水かな
- 利根川の源流探れば清水湧く
- 山清水ひかりとなりて流れ落つ
- 宮城県 林田 正光
- 湧き出ずる清水の底を探したし
- 真清水や掬いし手からこぼれ落ち
- 山の息山の鼓動や山清水
- 庭清水集めて響く鹿おどし
- 戦国の時代も生きた苔清水
- 東京都 笹木 弘
- 彼女の後に口で飲む苔清水
- 目を濡らし疲れを癒す山清水
- 霊山の岩間に出でし清水かな
- 笹舟の流れを委ね苔清水
- 真清水に心をこめて銭洗ふ
- 東京都 内藤羊皐
- 真清水の水皺深き影法師
- 山姥の腕を伝ふ清水かな
- 木漏れ日の翠匂ふや苔清水
- 真清水の禽の躯を満たしたり
- 故郷や谺のうちに清水湧き
- 大阪府 椋本望生
- 真清水を掬ふ脳天きゆつとさせ
- 足の位置確かめ掬む岩清水
- 飲ませたき二十歳の兄に汲む清水
- 岩清水青息吐息かと思ふ
- 清水汲むペットポトルを溢れさせ
- 岐阜県 金子加行
- 岩清水獣注意の柵近し
- 引き込みし清水耐へぬや醸造所
- 霊山の清水や臓腑引き締むる
- 岩清水産湯以来の身を委ね
- 岩清水これより先が長良川
- 京都府 田端 敏弘
- 山清水誰設えた丸太椅子
- 鳥の声湧き出清水相伴す
- 長野県 木原 登
- 真清水の水面たばしる水の玉
- 旅人へ音を絶やさぬ寺清水
- 共に掬み肩叩き合ふ清水かな
- ころころと喉を甘露の清水過ぐ
- 岳人の一里いとはぬ瑠璃清水
- 東京都 直木 葉子
- 身じろぎつ形代沈む清水川
- 西行をしのびて掬す苔清水
- 愛知県 岩田 勇
- 岩清水のみて遠山ながめをり
- あくまでも澄む清水かな過疎の村
- 岩清水小石はずせばほとばしる
- そこかしこ甘き清水の峡の里
- 御清水(おしょうず)を汲む人々のみな優し
- 千葉県 柊二
- 岩肌のやうな柄杓に汲む清水
- 神奈川県 泉水
- 岩清水心にしみる水琴窟
- 苔清水水琴窟の音飽かず
- 口すすぐ清水豊かに五十鈴川
- 屈斜路湖清水満たして空映す
- カルデラの摩周の清水神降るや
- 兵庫県 岸下 庄二
- 水鉢に清水捧げる父母の墓
- 一本の柄杓置かれし苔清水
- 岩清水汲んで巡礼また歩く
- 順番に土下座して飲む岩清水
- 岩清水順番待ちの列長し
- 宮城県 石川 長二
- 湧く清水山河たどりて大海に
- 笹船を浮かべてひとつ清水かな
- 宮城県 石川 初子
- 山彦の静まれるまで岩清水