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- 俳句庵 2015年01月 優秀賞発表
- 俳句庵 2015年01月 作品一覧
俳句庵
1月『正月』全応募作品
(敬称略)
- 富山県 露玉
- 正月の電柱姿勢よく並ぶ
- 埼玉県 小玉 拙郎
- 湯治場の正月タオル新調し
- 静けさは正月テレビを点けぬうち
- 正月や死んでなるかと餅を食う
- 元旦も律儀に三度の薬のむ
- 千葉県 隼人
- 正月や願懸け仰ぐ朝日かな
- 正月や真白き母の割烹着
- 正月やお猪口傾く父の指
- 北海道 澤野まひる
- 静けさの静けさを呼ぶお正月
- 東京都 鈴木 眞由美
- 起きて寝て呑んでまた寝て正月か
- 正月を待つも迎ふもふたりかな
- 正月やグラスかえても同じ味
- 正月の天気予報が出て来たよ
- 岐阜県 ときめき人
- 正月や凛とするのも三日なり
- 群馬県 クズウ ジュンイチ
- 正月や背骨は竹のごとく伸ぶ
- 東京都 紫旦
- 正月や 光優しき 障子桟
- 正月の 神神しさに 紙垂震え
- 東京都 初紫
- 紙垂揺れて 正月気分 右上がり
- 寝正月 死語となりけり 女正月
- 東京都 紫垂
- 正月や 障子格子の 四つ分
- 正月や 郵便受けへ 一張羅
- 東京都 丸山清子
- 子の顔に愁眉開くやお正月
- 愛知県 石川 順一
- 正月は夜から始まり朝に寝る
- 正月や今日から始まる自分史話
- 神社まで正月だから人が居ぬ
- 正月を酒飲めぬ日と決めにけり
- 正月を睥睨すれば小者なり
- 愛知県 古賀 敦子
- 玄関に靴の溢るるお正月
- 正月や金箔入りの神の酒
- 軒下に遊ぶ雀やお正月
- トーストのこんがり焼けてお正月
- 正月や上戸に下戸に神の酒
- 広島県 永野 昌人
- 正月や一茶の軸の掛けてあり
- 子の友をはじめて知るやお正月
- 子の友の声が二階に寝正月
- 正月を小原庄助地で行きぬ
- 正月や凪ぎて船なき瀬戸の海
- 三重県 石川 喜美子
- 久々に 子孫と過ごす お正月
- 三重県 平谷 富之
- 正月や 我が顔似ている 人そろう
- 正月や 一人暮らしを 満喫す
- 埼玉県 哲庵
- 正月の凧にくっきり和の一字
- 大吟醸たっぷりくらい寝正月
- 正月や戦無き世よとこしなへ
- 正月や辿れば王の血筋とか
- 正月の凧に大きく税の文字
- 福井県 相澤 竜次
- 姪たちの 成長うれし お正月
- お正月 食卓囲む 人変わり
- 正月の 食卓包む 子の笑顔
- ブラジル 林 とみ代
- 正月や旅路行く孫より電話
- 南国の正月に慣れ齢重ね
- 郷に入れば郷の正月気分にて
- 正月の年玉の数孫の数
- 正月や旅を楽しむ若者等
- 大阪府 太田 紀子
- 正月のキッチンに射す日の光
- 水耕のヒヤシンス咲きお正月
- 稜線のくつきりと立ちお正月
- 神奈川県 相模太郎
- 正月やひと日万歩と誓ひけり
- 正月や我はマラソン大会へ
- 正月の貌して猫の通りけり
- 正月や家族一同健やかに
- 東京都 岩川 容子
- 離れ住む人の往き来やお正月
- 正月やはためく国旗のたたみ皺
- 神橋の紅鮮やかにお正月
- 参道に長蛇の列やお正月
- 東京都 石見 光夫
- 老夫婦普段のままにお正月
- 正月の願いは戦なき世なり
- 岡山県 渡辺 牛二
- 正月や父一番に起きだして
- 正月の一日の長き子供かな
- 数へたる羊の数多寝正月
- 正月や宮司袴で雪を掻く
- 北海道 飯沼 勇一
- 孫ふたり増えてをるなりお正月
- 仮設にも正月はあり笑ふ声
- 正月や金髪目立つ浅草寺
- 正月や貯金を殖やす小学生
- 大掃除せずの正月老ふたり
- 東京都 森 清
- 正月や神おり賜ふ心地して
- 正月の長い石段のぼりけり
- 客あれば和室にとほしお正月
- 老いといふ課題おもたきお正月
- 老ゆることもめでたきことやお正月
- 千葉県 黒田 一季
- 歳の計 胸におさめて 寝正月
- 尾長鳥 飛ぶ勢いや お正月
- 正月の 日の出新たに 合掌す
- 神奈川県 井手 浩堂
- 正月や和服の妻に会ひし時
- 正月や開くカルチャーガイド表
- ノーベル賞の余韻新たにお正月
- 大阪府 永田
- 子を叱る声おだやかにお正月
- 五世代の履物つつむお正月
- 埼玉県 守田 修治
- 正月に飽きてグラヴにオイル塗る
- キネマ館はしごして行くお正月
- 正月やアナウンサーの得意顔
- 正月や車座漁師の高笑い
- 正月や湯島本郷下駄の音
- 大阪府 津田 明美
- 正月の風の奏でる琴の糸
- 子の背丈伸びて正月華やげり
- これ以上何を望もう大旦
- 千葉県 藤鷹圓哉
- 正月やおれのこころは普請中
- 東京都 水野 二三夫
- 正月やさらの下着を枕辺に
- 正月の髪結へば汝も淑女なり
- 正月や愛し妻のなほかがやきぬ
- はなやぎの日や母と子の女正月
- 幾星霜母を忘れず女正月
- 東京都 沖田 顫童
- 正月や明ければ直ぐに職探し
- 東京都 蘭丸
- 正月や首筋張りて山の声
- 正月や普段使ひの皿増える
- 慣れぬ手の棋譜思ひだすお正月
- 大阪府 弗椿
- 正月や猫は宴と距離を置き
- 正月の番組に飽きショパン聴く
- 埼玉県 長澤 千鶴子
- 静かなる老の正月猫とゐる
- 正月や二人三脚老夫婦
- 寝正月七〇回目の誕生日
- お正月恩師の声のはぎれよく
- 亡き母のお料理まねてお正月
- 茨城県 たいようたろう
- 鏡見て決める今年の面構え
- 元朝の歯ブラシことに縦使い
- 三日目の猫ねんごろに顔洗う
- 年を越す金魚逆立ち泳ぎして
- 若水を汲んで星くずちりばめる
- 兵庫県 山地 美智子
- 正月の予定それぞれ三世代
- 気掛かりは故郷の老母お正月
- テレビ見て食べてばかりのお正月
- 正月や白寿の母を中心に
- お正月よきことばかりありそうな
- 福岡県 平山 なな子
- 福袋 買い求めると 長い列
- 手に余る 熊手求める お幸せ
- 新成人 着慣れぬ振袖 もてあまし
- 栃木県 長浜 良
- 手に触れて子に正月の飾り物
- 正月や写真の中へ三世代
- 正月や高値に遊ぶ競りの声
- 正月や踝寒き宮参り
- 山口県 山縣 敏夫
- 愛犬の両目に映える初景色
- 出初式居並ぶ皆の顔新た
- 初詣で行き交う顔の輝けり
- 伊勢海老が皿全体を一人占め
- 羽子板や昭和の路地の音がする
- 奈良県 佐藤 靖
- 正月や家族揃いて3倍増
- 節料理孫に合わせて様変わり
- この日だけ徳利で燗のお屠蘇かな
- 息子らと歩いて信貴山初詣
- お年玉孫たち経由着地は子
- 埼玉県 米田 哲
- 檀家より氏子にかはるお正月
- 稲孫田の金剛煌めくお正月
- 朝の気の昨日と違ふお正月
- 正月や凜と畏み小辺路ゆく
- 正月やま向かひ拝むサンライズ
- 埼玉県 櫻井 俊治
- 正月や外で遊ぶ子いま何処
- 正月に木遣り響くや町お練り
- 鳶売りし正月飾り匂いけり
- 大阪府 高塚 政宜
- 正月のスカイツリーに寝る児かな
- 正月のエレベ-ターに抱く児かな
- 富山県 岡野 満
- 柏手を打って正月始めけり
- 正月の雑事忘れて旅の宿
- 目出度さもないが達者なお正月
- 神奈川県 矢神 輝昭
- 正月の初顔合はせ気恥づかし
- 正月や新の下着を枕元
- 迎え撃つ年玉込めるポチ袋
- 静かさや正月の朝祓ひおり
- お正月三日坊主も未練あり
- 佐賀県 平吉 俊郁
- 掛替えのない顔揃いお正月
- 東京都 村上 ヤチ代
- お正月てふ一日の始りぬ
- 愛知県 岩田 勇
- 運勢の良いも悪いもお正月
- 正月や気分改まること少し
- 正月の空ぼんやりと飛行船
- 正月の烏おっとり塵漁る
- ずるずると過ぎて正月終わりけり
- 埼玉県 岸 保宏
- お正月去年と同じ箸揃へ
- お正月先ず富士山の姿見に
- 散歩道犬もおしゃまなお正月
- 山梨県 天野 昭正
- 懐かしきお正月の雑魚寝かな
- 正月や猫と二人の炬燵番
- 俎板の音心地よきお正月
- 孫の来て正月の犬吠え通し
- 正月の膳より磯の香りけり
- 神奈川県 佐藤 博一
- 正月や曜日忘れて過ごしをり
- 家事一切忘れて来る女正月
- 街中が礼儀正しきお正月
- 正月や本当の空戻り来る
- ものすべて定位置にあるお正月
- 神奈川県 梅野 光博
- 正月の変わらぬ時を過ごしけり
- 正月の日暮れの崩れかけてをり
- 移りゆくものに正月飾りかな
- 千葉県 犬槇庵 光晴
- 東を照らす灯台お正月
- 熊本県 貝田 ひでを
- 正月も犬と散歩の夜明け前
- 正月もナースのノートに注意書き
- コンビニの売り子の笑顔お正月
- 正月のテレビ見飽きてウオーキング
- 東京都 かつこ
- お正月座布団一枚ふえにけり
- お正月エレベーターと上りゆく
- 群馬県 今野 涼人
- 蕎麦すする 音ただ一つ 寝正月
- 正月や 門松の葉は 凛と立ち
- カーテンに 一縷差したり 初日の出
- 正月や 去年忘れる 酒の味
- 正月の 子供笑いて 福となり
- 岐阜県 金子加行
- 正月の撮られる顔の締まりなき
- 正月に渋滞のなき救急車
- 正月に読み直したき本を積む
- 孫特区なるや我が家のお正月
- ユーモアの光る子となるお正月
- 兵庫県 岸野 孝彦
- 正月や父母に引かれて赤鳥居
- 正月や壽の文字あかあかと
- 正月のまどろみやふるさとの富士
- 正月や黒猫の目光る風
- 正月や川は光りて鳥の影
- 東京都 岩崎 美範
- 変りなく暮す幸せお正月
- 普段着にエプロンの母お正月
- 誰もかも子供に還るお正月
- 戦てふ匂ひかすかにお正月
- トーストに紅茶で祝ふお正月
- 北海道 みなと
- 正月や波濤の高き浦に住む
- お正月客人と居て旅心
- 正月のスナップショットと言はれても
- わが浦の百戸の灯りお正月
- お正月豊麗線のはたと消ゆ
- 神奈川県 川島 欣也
- 正月や決意練り直し五十年
- 昨日今日みな正月や阿弥陀仏
- 正月や冥土の渡しまだ見えず
- 正月や火種絶やさぬ登り窯
- 正月や電波の運ぶ越天楽
- 山口県 ―
- 息災を祝う笑顔や屠蘇かわす
- 十歳の孫の手早しかるた取り
- 兵庫県 岸下 庄二
- 正月の出船の汽笛高らかに
- 老い二人正月礼もそこそこに
- 正月の忙しく暮るるひと日かな
- 正月や父の齢にあと四年
- 健やかに目覚めてうれしお正月
- 広島県 安冨 正則
- 長旅やはやぶさ2もお正月
- 長野県 木原 登
- はるかなる日々を昨日に喪正月
- お正月運ぶ鈍行列車かな
- 二十年子と会へざるも正月来
- お正月絵馬も嘶きそめにけり
- 正月のかなしきものに夕茜
- 福岡県 紙田 幻草
- 正月に神妙なりしわが心
- 正月や二人の父の忌の近し
- めでたさの連なつて来るお正月
- 正月や改めて孫子頼もしき
- 正月や香煙絶えぬ大悲殿
- 北海道 江田 三峰
- 二日はや孫と手を引く友とあふ
- 女正月愚痴をこぼしに来るかな
- ポケットに小銭ザクザク初詣
- 神棚に準備万端お年玉
- 羊雲羊蹄山の初日受く
- 東京都 直木 葉子
- 大鍋の出番となりぬお正月
- 正月の爆笑の渦赤ん坊
- 奈良県 和田 康
- 正月のアダージョのごと過ぎにけり
- 正月や百人一首かるた取り
- 今年また柿の葉寿司でお正月
- 正月の村上春樹を忘れゐる
- 餅を食べワインを飲んでお正月
- 新潟県 近藤 博
- 正月に数へ年ならなほ一つ
- 正月の子らの遊びは故にもどり
- 正月は晴れ着でるんるん子ら愛し
- 「お」なる字を冠して祝ふ正月は
- 寝正月妻の望みは許すまじ
- 神奈川県 守安 雄介
- 日本の美取り戻したるお正月
- 補聴器と眼鏡と入歯寝正月
- 電話機を囲む笑顔やお正月
- お正月言葉も所作もあらたまり
- 北海道 藤林 正則
- サハリンへ続く海原初明り
- 利尻富士裾曳く沖へ初荷船
- 厠にも掛けておきたる新暦
- 初凪や島行く船の水脈蒼し
- 啼き声の殊に親しき初雀
- 京都府 中村 万年青
- 伊勢の宮午前令時の初詣
- 稲荷山脇道抜けて拝殿へ
- 三輪の山旭に光る黒鳥居
- 正月や明日へ続く今朝の空
- 元旦や年賀葉書に春の色